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執筆者の写真T.Uehara

自民党の改憲案について

SA9幹事 上原稔男               

朝日新聞の憲法9条に対する世論調査を見て改憲論者の巧妙な宣伝に疑問を感じています。

改憲案の一つは憲法9条の1項と2項をそのままにして、新たに自衛隊の存在を明記する加憲を提案しています。朝日の調査では9条の改正に賛成ですか?の問いかけに賛成55%、反対34%と9条に対する世論が初めて逆転しています。調査時点ではロシアによるウクライナ侵攻に左右されたこともあると思われます。日ごろ自民党などは今の憲法はアメリカに押し付けられたので日本人自身でつくりたい、とさかんに宣伝していますが多くの条項はその通りですが、本命は9条を改正したいための理屈であり私たちSA9の見解では9条は当時の総理幣原喜重郎氏がマッカーサーに提言したことを資料で明白に答えています。

自民党の憲法草案(平成24年4月27日)は9条の1・2項をそのままにして3項に軍隊としての自衛隊を明記したいこれが本命であることは安倍政権からの願望でも分かります。

自民党の憲法改正の指針4項目

1,「9条への自衛隊の明記」

国民投票で過半数の支持を得たいがために1・2項はそのままにして「加憲」方式を提案しています。しかしこれを設ければ法律の主旨からして「後法は前法を破る」と言う法理があり、2項の「陸海空その他の戦力は、これを保持しない、国の交戦権は、これを認めない」について矛盾しており、加憲した後法が独り歩きすることになります。

2,「緊急事態条項」

この新設は緊急時に国会が解散して機能しない場合困るのでと言うが以前は自民党を中心に参議院は解散しないので国会は機能する、問題ないと発言していたではないですか。

3,「参議院の合区の解消」

鳥取と島根及び徳島、と高知を一人区から二人区に2015年7月から改正したのは憲法を改正したのではなく公職選挙法ではないですか?法律で改正されたもので、憲法を改正しなくても前回同様に公職選挙法で付け加えたり戻したりすればよいのではないですか。

4,「教育の無償化」

憲法26条は、義務教育は無償とするとあり、安倍政権時から高等教育の無償化を言っており義務教育は中学まで、高等教育を言っているのでなく予算化すればよいだけのことです。

改憲論者は様々な言葉を巧みに使い分けて、国民を誘導しています。

昨年の衆議院選挙でも、当初の世論調査では立憲、共産等の野党共闘は40~50議席増えるとの調査結果でしたが(調査時点では連合代表はテレビ等で何も言わなかった)選挙中盤に入り代表はしきりにマスコミに対し共産党との共闘はありえない、などと発言しており、一般国民は立憲の選挙母体である代表が言うなら間違いない、と多くの国民は野党共闘から離れていったと思う。今にして思えばこのつながりがよく分かる気がします。言葉は多数の人を惑わせることもあり、今回の改正草案をよく考えてほしいと願っています。




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