ドイツの哲学者イマヌエル・カントの言葉に「汝なすべきがゆえになし能う」というのがあります。どういうことでしょうか?
たとえば、目の前に大きな仕事があり、特にやりたくもないし、上手くできるとも思わないが、自分しかやる人がいない、じぶんがやるべきだ、という一念で始めてみると、予想外の道が開けてきて、最後には、できてしまう・・・日常生活や人生の途上で、たまにあることです。
この言葉は、SA9キャンペーンを立ち上げたときのわたしたちのマインドをかなり正確に言い当てています。というより、これは偉大な哲学者からわたしたちへのエール! そこで、キャンペーンのロゴのなかにカントの影絵を入れることにしたのです。名刺の裏の左上に小さく印刷されているのも同じ影絵です。
カント先生の肖像画もたくさん残されていますが、すべて当時の慣習のカツラをかぶり、姿かたちがあまりに古典的で、現代の市民運動の守護者にしては、見た目がいまひとつ。そこで、影絵にとどめたのです。
上の言葉は『実践理性批判』のなかにありますが、カントはその後『永遠平和のために』という本も書きました。そのなかで、戦争の抑止のために、今の国際連合と集団安全保障体制の原型になるものを構想しています。この方向性は、わたしたちの市民運動のそれとも合致しますから、それだけますますカントには先達としての敬意と盟友としての親近感を覚えているわけです。「見た目」は大事ですが、それ以上に大切なのは「マインド」ですから。
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